アレルギー性鼻炎
「朝、目が覚めた瞬間から激しいくしゃみと鼻水が止まらない」 「常に鼻が詰まっていて、口呼吸になるため夜中に何度も目が覚める」 「風邪でもないのに目にかゆみがあり、頭がボーッとして仕事や勉強に集中できない」
このような辛い症状でお悩みではありませんか? これらはすべて「アレルギー性鼻炎」の典型的なサインです。当院でも、年間を通じて非常に多くの患者様がこの症状を訴えて来院されます。
アレルギー性鼻炎とは、本来は体に害のないはずの物質(花粉やダニなど)を、免疫システムが「敵(異物)」と過剰に判断して排除しようとするために起こる鼻粘膜の炎症です。命に関わる病気ではありませんが、鼻が機能しなくなることで睡眠の質が著しく低下し、日中のだるさや集中力の低下など、気づかないうちに日々の生活の質(QOL)を大きく損なってしまう現代の国民病です。
近年急増している「現代型」の具体的な訴え
かつては「春先の杉花粉症」が代表格でしたが、現代の住環境や気候の変化に伴い、最近では以下のような新しい傾向の訴えが急増しています。
一年中、季節を問わず鼻がグズグズしている
春だけでなく、秋の草花(ブタクサやヨモギなど)の花粉、あるいは冬場の気密性の高い住宅で繁殖するダニやハウスダストが原因となり、1年を通して症状が途切れない「通年性アレルギー性鼻炎」の患者様が老若男女問わず増えています。
天気が良い日や、エアコンが効いた部屋に入ると急に悪化する
近年では、純粋なアレルギーだけでなく、急激な気温の変化(寒暖差)によって鼻の神経が過敏に反応する「血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)」を併発しているケースが目立ちます。また、黄砂やPM2.5、自動車の排気ガスといった大気汚染物質がアレルゲンと結びつくことで、症状が何倍にも強く引き起こされる傾向があります。
「いつものことだから」「市販の点鼻薬でなんとかなるから」と放置したり、市販の点鼻薬を使い続けたりしていると、鼻の粘膜が慢性的に肥厚して薬が効きにくくなる(肥厚性鼻炎)など、症状がさらに頑固になってしまうため、早期に適切なアプローチを開始することが大切です。
アレルギー性鼻炎の種類(病態による分類)
アレルギー性鼻炎は、症状が引き起こされる時期によって大きく2つのタイプに分類されます。
季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)
特定の季節にだけ飛散する植物の花粉が原因となるタイプです。春のシラカバやスギ、ヒノキ、初夏のカモガヤ、秋のブタクサなどが代表的です。目のかゆみや充血、喉のかゆみを伴いやすい特徴があります。
通年性アレルギー性鼻炎
季節に関係なく、1年を通じて症状がみられるタイプです。主な原因は、室内のチリやダニ、ペットの毛、カビ(真菌)などです。日本の高気密・高断熱な現代住宅はダニが繁殖しやすいため、潜在的な患者様が非常に多いのが特徴です。
原因
アレルギー性鼻炎が発症・悪化する背景には、体質(遺伝的素因)と環境因子の双方が複雑に絡み合っています。
アレルゲン(原因物質)の体内への侵入
鼻の粘膜にある免疫細胞がアレルゲンをキャッチすると、「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」という化学物質が大量に放出されます。これらが鼻の神経や血管を刺激することで、くしゃみで追い出し、鼻水で洗い流し、鼻詰まりで侵入を防ごうとする防衛反応(=アレルギー症状)が起こります。
住環境の変化とストレス
絨毯(じゅうたん)の普及や気密性の高い部屋、ペットの室内飼育はハウスダストを室内に溜め込みやすくします。また、過度な精神的ストレスや睡眠不足は自律神経を乱し、免疫システムを暴走させてアレルギー症状を悪化させる大きな原因となります。
症状
アレルギー性鼻炎には「3大症状」と呼ばれる特徴的な症状があります。風邪の引き始めと似ていますが、症状の現れ方に違いがあります。
・水のようなサラサラとした鼻水(風邪のように粘り気や黄色みがありません)
・発作的に連発するくしゃみ
・頑固な鼻詰まり(鼻閉:特に夜間に悪化しやすい)
・目のかゆみ・涙目・喉や皮膚のかゆみ
・頭重感(頭が重い)、集中力の低下、だるさ
風邪の場合は数日から1週間程度で治まりますが、アレルギー性鼻炎の場合は原因物質がある限り、数週間から数ヶ月にわたって症状が続くのが最大の特徴です。
検査・診断
効果的な治療を行うためには、「何が原因でアレルギーが起きているのか」を正確に特定することが第一歩です。当院では以下の検査を行います。
詳細な問診と鼻内診察
症状が起きる時期や時間帯、お住まいの環境、ペットの有無などをお聞きします。その後、鼻鏡や内視鏡を使って鼻の中を観察し、アレルギー特有の「白っぽく腫れた粘膜」や「水様の鼻水」を確認します。
血液検査(特異的IgE抗体検査)
少量の採血を行い、スギ、ダニ、ハウスダスト、犬・猫、カビなど、主要なアレルゲンに対する抗体が体内にどれくらいあるかを調べます。一度の検査で数十種類もの原因を特定することが可能です。
治療
アレルギー性鼻炎の治療は、今ある辛い症状を抑える「対症療法」と、体質そのものを変えていく「根本治療」があります。患者様のライフスタイルやご希望に合わせて最適な治療を選択します。
薬物療法(内服薬・点鼻薬)
治療の主軸となるのは、ヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン薬」や、鼻詰まりを改善する「抗ロイコトリエン薬」です。近年の医療用医薬品は、従来の薬に比べて「眠くなりにくく、効果が高い」お薬が主流になっています。また、鼻の粘膜の炎症を局所で強力に抑える「ステロイド点鼻薬」を併用します(点鼻薬は全身への副作用がほとんどなく、安全性が極めて高い治療です)。
アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)
スギ花粉やダニが原因の方に対して行う、アレルギーを根本から治すための治療法です。原因物質のエキスを毎日少しずつ口の中から体内に吸収させ、体をアレルゲンに慣れさせていきます。3〜5年という長期の継続が必要ですが、長年悩まされていた症状を劇的に軽くしたり、お薬を不要にしたりできる唯一の根本治療です。
予後・経過
多くの場合、アレルゲンの飛散時期(または暴露時期)に合わせて適切にお薬を開始(初期療法)することで、シーズン中も症状を最小限に抑え、快適に過ごすことができます。
しかし、症状がピークに達して鼻の粘膜が完全に腫れ上がってから治療を始めると、お薬が効き始めるまでに時間がかかり、回復が遅れることがあります。また、市販の鼻詰まり用点鼻薬(血管収縮剤入り)を過度に使用し続けると、逆に鼻の粘膜が肥厚して元に戻らなくなる「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあるため、自己判断での長期使用は避け、専門医の管理のもとで治療を行うことが予後を良くするための鍵となります。
日常生活での注意点・予防
医療機関での治療と並行して、原因物質を「体内に入れない(遠ざける)」セルフケアを行うことが、薬の効果を何倍にも高めます。
花粉を家に持ち込まない
花粉の飛散時期は、外出時にマスクやメガネ(ゴーグル型)を着用しましょう。帰宅時は玄関前で衣服についた花粉を払い、すぐに洗顔やうがいをして鼻の中や顔についた花粉を洗い流します。洗濯物を室内に干すことも有効です。
徹底したダニ・ハウスダスト対策
通年性の方は、寝具のケアが最も重要です。週に1回以上は布団掃除機をかけ、枕カバーやシーツはこまめに洗濯しましょう。部屋の掃除をする際は、ホコリが舞い上がらないよう、朝一番や帰宅直後にウェットシートなどで拭き掃除をしてから掃除機をかけるのがコツです。
自律神経のバランスを整える
睡眠不足や冷え、お酒の飲みすぎは鼻の粘膜の血管を拡張させ、鼻詰まりを一気に悪化させます。規則正しい生活を心がけ、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かって体を温め、自律神経を安定させましょう。
よくある質問
- 風邪なのかアレルギー性鼻炎なのか、自分で見分ける方法はありますか?
- いくつかのポイントで見分けることができます。アレルギー性鼻炎は「目のかゆみを伴う」「くしゃみが何回も連続で出る」「鼻水が無色透明でサラサラしている」「熱が出ない」という特徴があります。一方、風邪は「喉の痛みや発熱から始まる」「鼻水が数日で黄色くドロドロしてくる」「1週間程度で治る」といった違いがあります。判断に迷う場合は、無理をせず受診してください。
- 花粉症の薬は、症状が出る前から飲んだ方が良いというのは本当ですか?
- はい、非常におすすめです。これを「初期療法」と呼びます。花粉が飛び始める時期の約2週間前、あるいは「少し目が痒くなってきたかな」というごく初期の段階から抗ヒスタミン薬などの内服やステロイドの点鼻薬を始めることで、シーズン中の症状のピークを著しく低く抑えることができ、使うお薬の総量を減らすことにも繋がります。

| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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| 9:00~12:30 | ○ | ○ | ○ | - | ○ | ● | - |
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- 診療科目
- 耳鼻咽喉科、アレルギー科
- 院 長
- 小島 慎平
- 住 所
- 〒270-0014
千葉県松戸市小金44-5
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- JR常磐線北小金駅南口から徒歩2分、イオン北小金店目の前