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耳垢とは

耳垢(みみあか・耳垢[じこう])は、外耳道(がいじどう:耳の入り口から鼓膜までの通り道)で作られます。外耳道にある耳道腺や皮脂腺からの分泌物に、古くなった皮膚やほこりなどが混ざったものが耳垢です。

耳垢は不要なものと思われがちですが、外耳道を保護し、汚れを排出し、細菌の増殖を抑えたり異物の侵入を防いだりする大切な役割があります。

正常な耳には「自浄作用」があり、耳垢は皮膚の動きによって自然に外へ排出されます。そのため、通常は耳の奥に耳垢がたまり続けることはありません。
耳垢は見た目によって「乾性耳垢(かんせいじこう)」と「湿性耳垢(しっせいじこう)」に分けられます。

・乾性耳垢
カサカサと乾燥したうろこ状の耳垢です。

・湿性耳垢
ベトベトした粘り気のある耳垢です。「アメミミ」「ヤニミミ」「ジュルミミ」などと呼ばれることもあります。

この違いは遺伝によって決まっており、日本人では約70%が乾性耳垢、約30%が湿性耳垢といわれています。

原因

耳垢は、耳の分泌物と古い皮膚、ほこりなどが混ざってできるものです。
特に以下のような方は耳垢がたまりやすい傾向があります。
・湿性耳垢の方
・外耳道が狭い方
・新陳代謝が活発で耳垢が多い方
・小さなお子さま
・ご高齢の方
お子さまは外耳道が狭く代謝が活発なため耳垢がたまりやすく、高齢の方は耳の自浄作用が低下することで耳垢がたまりやすくなります。

症状

耳垢そのものが大きな害を与えることは多くありません。しかし、耳垢に関連して以下のような病気がみられることがあります。

耳垢栓塞(じこうせんそく)

耳垢が過剰にたまり、外耳道をふさいでしまった状態です。
主な症状は、
・聞こえにくい
・耳が詰まった感じがする(耳閉感)
・耳鳴り
などです。
無症状の場合も少なくありませんが、自分で耳掃除をしてさらに奥へ押し込んでしまい、症状が悪化することがあります。その場合は耳鼻咽喉科で耳垢を除去します。

耳垢が黒い場合

赤ちゃんの耳掃除をした際に黒い耳垢が見られることがあります。
これはお母さんのおなかの中にいたときの影響によるもので、心配のないことがほとんどです。赤ちゃんは体温が高く汗をかきやすいため、茶色や黄色の耳垢が出ることもあります。
一方で、外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)の場合、白色や黒色の耳垢のようなものが見られることがあります。

耳垢が臭い場合

乳児では、よだれや涙、母乳などが耳に入り込むことで臭いが生じることがあります。
ただし、
・強い臭いが続く
・膿のような耳だれが出る
・ドロドロした分泌物が出る
といった場合は、中耳炎などの病気が隠れている可能性があります。
耳の臭いは、外耳道や中耳の病気によって起こることもあります。

中耳炎

中耳炎は、鼓膜の内側にある中耳に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす病気です。
急性中耳炎では、
・強い耳の痛み
・発熱
・聞こえにくさ
・耳閉感
などがみられます。
鼓膜が破れると、黄色く臭いのある耳だれが出ることがあります。
また、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は痛みを伴わないことが多く、聞こえの低下が主な症状です。

外耳炎

外耳道に炎症が起こる病気です。
耳かきや綿棒による刺激で外耳道が傷つくことが主な原因です。
症状として、
・痛み
・赤み
・かゆみ
・耳だれ
などがあります。
頻繁な耳掃除をしている方でかゆみが続く場合は、外耳炎の可能性があります。

外耳道湿疹

耳掃除のしすぎなどによって外耳道の皮膚が荒れ、湿疹が生じる病気です。
強いかゆみが特徴で、進行すると浸出液(水のような液体)が出ることもあります。
繰り返しかいてしまうと細菌感染を起こし、外耳炎を合併することがあります。

外耳道真菌症

外耳道にカビ(真菌)が増殖して炎症を起こした状態です。
酒かすのような白い耳だれや、黒っぽい耳垢のようなものがみられることがあります。

外耳道真珠腫

外耳道に慢性的な炎症が起こり、白いかす状の耳だれが出る病気です。
進行すると周囲の骨を傷めることがあり、手術が必要になる場合があります。

検査・診断

外耳道の入り口は約1cm程度と狭く、ご自身で耳の奥の状態を確認することは困難です。
耳垢の有無だけでなく、外耳炎や中耳炎などの病気が隠れていないか確認するためにも、耳鼻咽喉科での診察をおすすめします。

【顕微鏡】
ライトと耳鏡で処置が困難な場合は、顕微鏡を使用して耳の中を詳しく観察します。
肉眼では見えにくい鼓膜近くの耳垢まで確認できるため、安全かつ丁寧な耳垢除去が可能です。
顕微鏡を使用することで外耳道や鼓膜を傷つけるリスクを減らします。

治療

耳垢には耳を守る役割があり、本来は自然に排出されるため、基本的に頻繁な耳掃除は必要ありません。
特に乾性耳垢の方は、ほとんど耳掃除をしなくても問題ないことが多いです。
耳垢栓塞などで治療上必要な場合は、耳鼻咽喉科で耳垢除去を行います。

清潔な綿棒を使用する

硬い耳かきではなく綿棒を使用してください。
耳かきは外耳道や鼓膜を傷つける原因になることがあります。

耳の入り口付近だけを優しく掃除する

綿棒は短く持ち、見える範囲だけを優しくなでるように掃除してください。
耳の奥まで入れると、
・外耳道を傷つける
・鼓膜を傷つける
・耳垢を奥へ押し込む
といった危険があります。

安定した姿勢で行う

耳掃除中に体勢が崩れると、耳の中を傷つける可能性があります。
お子さまやペットが近くにいない環境で行いましょう。

頻度は月1~2回程度

耳掃除を毎日行う必要はありません。
耳掃除のしすぎは外耳炎の大きな原因となります。

出血した場合

耳掃除中に出血した場合は感染の原因になることがあります。
出血が止まった場合でも、耳鼻咽喉科を受診してください。

取りにくい場合は耳鼻咽喉科へ

湿性耳垢の方やお子さま、ご高齢の方は耳垢がたまりやすい傾向があります。
耳掃除が難しい場合や耳の違和感がある場合は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

耳垢の掃除だけで耳鼻咽喉科を受診してもよいですか?
もちろん可能です。
耳垢除去は保険診療で認められている医療行為です。
「耳垢だけで受診してよいのだろうか」と心配せず、お気軽にご相談ください。
小さい子どもでも耳掃除で受診できますか?
はい。新生児から受診可能です。
また、お子さまの場合は中耳炎の診断に耳垢除去が必要になることもあるため、定期的な確認をおすすめしています。
耳掃除だけの場合、どのくらいの間隔で受診したらよいですか?
目安として、
・大人:3~6か月に1回
・お子さま:3~4か月に1回
をおすすめしています。
ただし、耳垢のたまりやすさには個人差があります。
耳鼻咽喉科で耳垢掃除をするメリットは何ですか?
耳垢を安全に除去できるだけでなく、
・外耳炎
・急性中耳炎
・真珠腫性中耳炎
などの病気の有無を同時に確認できることが大きなメリットです。
耳鼻咽喉科での耳掃除はどのくらい時間がかかりますか?
耳垢の量や状態によって異なります。
短時間で終了する場合もありますが、硬くなった耳垢は点耳薬を処方し、次回の外来でやわらかくしてから除去することもあります。
そのため、数分程度が目安です。
耳がかゆいのですが、耳掃除をしてもよくなりません。
耳のかゆみは耳垢だけが原因とは限りません。
外耳炎や外耳道湿疹などが原因の場合もありますので、ご自身での耳掃除はいったん中止し、耳鼻咽喉科を受診してください。
耳介に耳垢がよくたまります。
耳介(耳の外側)の溝は汗や皮脂がたまりやすく、垢が付着しやすい部位です。
その場合は綿棒で表面を優しくなでるように掃除していただいて問題ありません。

医療法人社団 梨葛会 北小金こじま耳鼻咽喉科
047-393-8714
休診日:木曜、日曜、祝日
土曜日:9:00~13:00
・受付時間は診療開始10分前から診療終了10分前までとなります。
・ご予約のない方ももちろんご来院ください。
・お急ぎの場合は事前予約をお勧めいたします。
診療時間 日祝
9:00~12:30
15:00~18:30
047-393-8714
診療科目
耳鼻咽喉科、アレルギー科
院 長
小島 慎平
住 所
〒270-0014
千葉県松戸市小金44-5
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