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●睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群は、英語の頭文字をとり、SAS(Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれます。肥満や喉・あごの形状などが関与して、喉の空気の通り道が塞がり、睡眠時に呼吸が一時的に停止したり、低呼吸になる状態です。
睡眠時無呼吸症候群は生活の質だけでなく、慢性化した場合、命に直結する場合があるため、検査・診断・治療が必要な疾患です。

●合併症として非常に注意が必要な疾患
・高血圧
・心不全
・心血管障害
・脳梗塞
・夜間突然死
・認知障害
・癌


●睡眠時無呼吸症候群になりやすい方
・肥満傾向
・お酒を飲み過ぎる
・睡眠薬を飲んでいる
・タバコを吸う
・首が太い
・中年以降の男性
・閉経後の女性
・舌が大きい方

●原因

睡眠時無呼吸症候群は大きく2つのタイプに分かれます。
約9割の方は、空気の通り道である喉や気道が塞がってしまう「閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) 」です。
残りの約1割の方は、脳から呼吸指令が出ない「中枢性睡眠時無呼吸 (CSA) 」です。

①閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA、ObstructiveSleepApnea)

●鼻の狭窄

空気の通り道がふさがる一番代表的な原因が、鼻の狭窄です。
例えば鼻腔を左右に分けている鼻中隔が極端に曲がっている方は、空気の流れが妨げられ、鼻閉になりやすくOSAを引き起こす可能性があります。
また慢性副鼻腔炎の方も、鼻ポリープなどによって鼻閉になりOSAの原因になることがあります。

●副鼻腔炎についてはこちら

●のどの狭窄

のどに病変がある方も、OSAを引き起こしやすくなります。特に子供はアデノイド、口蓋扁桃肥大が原因となります。但し、成長とともに治まることもあるので、患者様の状態を見極めながら判断します。軟口蓋や口蓋垂の形態異常が見られる方、睡眠中に舌根が沈下しやすい方も注意しましょう。

●アデノイド肥大・扁桃肥大はこちら

●肥満

肥満は中年以降で起こるOSAの大きな原因です。脂肪はお腹や内臓にも付きますが、それだけでなく、喉の粘膜にも溜まります。そのため、喉が狭くなって無呼吸を引き起こしてしまうのです。

※閉塞性睡眠時無呼吸症候群は肥満の方のみの病気だと思っている方もいらっしゃるようですが、痩せ型の人でも「鼻の狭窄」や「のどの狭窄」があればSASの原因となります。

②中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)CentralSleepApnea

気道閉塞を伴わないのに、中枢性の原因による睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。目立った症状が現われないので、原因の特定に時間がかかることも多いのですが、ご家族から不充分な睡眠や、睡眠中に呼吸がしばらく止まっていることを指摘されて受診するケースがよくあります。

●症状

・いびき
・熟睡感が得られない
・昼間の眠気
・倦怠感
・起床時に頭痛がする
・夜中に何度もトイレなどへ行く

睡眠時無呼吸症候群の検査と診断についてはこちら

●重症度

AHI
重症度
5回未満
正常範囲内
5回以上~15回未満
軽症
15回以上~30回未満
中等症
30回以上
重症

●治療

治療は患者様の重症度などを踏まえて決定します。

①持続陽圧呼吸法(CPAP/シーパップ)

① 持続陽圧呼吸法(CPAP/シーパップ)
CPAPは専用の医療機器を使います。夜に眠るときに鼻にマスクをつけ、そこから空気を送り込んで、ある一定の圧力を気道にかけ、気道を広げ、中等症から重症の患者様にとても効果的です。簡易検査でRDI40以上、終夜PSG検査でAHI20以上の方は保険適用となります。とても有効な治療法ではありますが、SASの根本的な治療ではないことに注意が必要です。定期的に通院いただき経過観察させていただきます。

②外科的手術

気道を閉塞する原因によっては入院をして気道が塞がってしまう部位の外科的な手術が必要になることもあります。具体的には、アデノイド肥大、扁桃肥大などの場合です。手術可能な病院へ当院からのご紹介も可能です。

●アデノイド肥大・扁桃肥大はこちら

③マウスピース

比較的に軽度の患者様の場合は、睡眠中にマウスピースを装着します。マウスピースによって気道を広く確保し、下顎を上顎よりも前に出るように固定できます。
歯科医院のご紹介にも対応しております。

④生活習慣の改善など

CPAPやマウスピースによって睡眠時の無呼吸状態を減らすことは出来ますが、生活習慣に根本的な原因がある場合はその改善が必要です。
・肥満の方は食事を腹八分目に抑え、適度な運動を続け、体重を適正化しましょう。
・お酒を飲み過ぎる方は、少なくとも深酒・寝酒は止めましょう。お酒は筋肉を弛緩させるため、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性があります。
・睡眠薬を内服中の方は、減薬や中止を検討しましょう。
・仰向けではなく横向きで寝てみましょう。
こうした生活習慣の見直しにより、睡眠時無呼吸症候群の改善が期待できます。

●予後、経過

睡眠時無呼吸症候群は、早めに治療しておくことが大切です。医療機関を受診せずに放置していると、病状が悪化し、高血圧や糖尿病、不整脈等の心疾患、脳卒中などを招く確率が大幅に上昇します。日中に眠気がおそってきて交通事故の原因ともなりかねません。
このように、仕事や私生活にも悪影響が出ることが多く、何も手を打たずにいることは非常に危険です。ご家族やご友人などから、睡眠中の大きないびきや呼吸の一時的な停止を指摘された方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われますので、出来るだけ早く対策を講じるようにして下さい。何科を受診するか悩んでいる方は、まず当院をご受診ください。

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医療法人社団 梨葛会 北小金こじま耳鼻咽喉科
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休診日:木曜、日曜、祝日
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・受付時間は診療開始10分前から診療終了10分前までとなります。
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診療時間 日祝
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診療科目
耳鼻咽喉科、アレルギー科
院 長
小島 慎平
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